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KokoTeraブログ

公認心理師・臨床心理士/博士(医学)
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神ワード”Good Job”~子育てが楽になる学習心理学7~

仕事

いきなり結論から言いますが

先日ふと思ったのです。
英語の誉め言葉でよく使われる”Good Job!”や”Great Job!”
これって、神ワードじゃないかと。

ぴったりと該当する日本語ってあるでしょうか?
「よくやった!」「いい仕事した!」
だいたいこんな感じかとは思いますが、どれもしっくりこない気もします。

今日こそは説明します

しっくりこない理由をお話ししたいので、
今日こそは、この図をちゃんと説明します。

子どもの例に飽きてしまったので、今日は気まぐれに大人の例で考えたいと思いますが、
昇進試験=英検やら、縄跳びカードやら、と置き換えて考えていただいても全く問題ありません。

まず「褒めるは正義?」のブログでもご紹介した、
「オペラント条件付け」の理論によると、
人の行動は、行動の前に生じた何らかのきっかけ(先行刺激)により生起し、
行動の後に生じる結果(後続刺激)が存在することで、またその行動が維持される
とされています。

つまり図の例で言うと、
「昇進試験に挑戦する」行動は、昇進試験の機会(掲示を見る、声をかけられる等)により生起し、
称賛(昇進試験に挑戦したことを褒められる等)があることで、
行動の維持(また挑戦しようとする)につながる、のですね。

このような、先行刺激→行動→後続刺激の連鎖のことを、専門用語では三項随伴性と呼びます。
さらにこの仕組みは、後続刺激により行動が強化されると説明され、
この時に、その個体にとってメリットとなる後続刺激のことを強化子と呼んでいます。

改めて強化子とは?

いまご説明した通り、強化子というのは、行動を維持させる刺激です。
つまり褒めるのであれば、特定の行動に対してダイレクトに誉め言葉を伝える必要があります。

さきほどの昇進試験の例で、結果ではなく、挑戦したことを褒めたいのであれば、
「えらいね」とか「すごいね」ではなく、
「挑戦した行動が素晴らしいね」と伝えなければいけないことになります。

これって日本語でやろうとすると・・・
まわりくどくて、なんだか不自然になりがちなんですよね。

たとえば逆上がりが回れなかった子どもに言おうとすると、
「まずやってみようと鉄棒をつかんだところが良かったよ」
となりますが、長ったらしくて、
言い終わる頃にはやめているか、もういちど回っているんですよね。

行動に「いいね!」ができたらなと思うのですが、
気軽に使ってしまいがちな「すごい」「えらい」「いいね」などは、
結果を褒めているような感じがどうしても私はする
のです。

その点、
“Good Job!”は行動に対してもポジティブな言葉を返している気がしませんか?

ネイティブではないので思い過ごしかもしれませんが、
そんなことをふと考えた年末年始でした。

>>過去の投稿も、ぜひご覧になってください。
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