勝ちたいけど勝てない
上の子は・・とか、下の子は・・とか、
きょうだい関係による性格の違いの話はよくあります。
下の子は甘え上手という話を以前にしましたが、
我が家の下の子は、つねに「あきらめの境地」にいるように見えます。
とくに学校や習い事など、同じ環境で育つことも多く、
周囲からも比較されることが多い「同性きょうだい」にありがちなのかもしれませんが、
何をやっても上の子に勝てない。勝ちたいのに勝てない。
なかなか苦しい戦いに、毎日挑んでいるような気がします。
“勝てない”がつづくと
毎日戦いに挑んではいるのですが、
ほとんどの試合に負け続けるので、結果としてどうなるのかと言うと・・・
「もういいや」「頑張っても仕方ないや」というあきらめの境地です。
たとえば、たびたび話題に出しているラジオ英会話ですが、
ここでも”Now! Your turn!!”と言われ、テーマとなる言い回しを練習するコーナーがあるのですが、
一生懸命、自分が声に出そうと息を吸い上げたところで
上の子に先に言われてしまう、という繰り返し・・・
たしかにこれは、やる気がそがれますよね。
はじめは怒ったり、すねたりしていたのが、次第に言おうともしなくなるのです。
これは、以前にお話しした消去の原理です。
ふつうは、
Your turn!!(先行刺激)→英語を声に出す(行動)→達成感・満足感(後続刺激=メリット)
という流れで行動が強化されますが、この達成感・満足感の部分がそぎ取られてしまうのです。
つまり、
Your turn!!(先行刺激)→英語を声に出す(行動)→敗北感・劣等感・・・(デメリット)
となってしまうのですから、
英語を声に出す行動は強化されず、消去されてしまいます。
もちろん先に上の子に言われてしまったとしても、
自分が英語を話せたという達成感や満足感はあるのかもしれませんが、
以前もお伝えした通り、メリットがデメリットを上回らない限り、行動は持続しません。
“どうせ”という心境
心理学者のセリグマンという人が、むかし「学習性無力感」という理論を提唱しました。
これは犬に電気ショックを与え、電気を止めるスイッチを与えないという、
ちょっと非人道的な実験から証明されたものですが、
逃れられないストレスにさらされ続けると、
だれしも逃れようと行動することを放棄し、無気力になってしまうという理論です。
先ほどのように負け続けるという屈辱にさらされ続けることによって、
「どうせ」というあきらめの境地に達してしまうのでしょう。
もちろん、このように戦い続ける環境の中で、
逆境に強い精神が育ったり、勝つための工夫ができるようになるのは、下の子の大いなる強みです!
このような強みを生かしながら、無気力にならずに意欲を継続させるためには、
親の声掛けや環境作りの工夫もあるのかもしれません。またどこかのブログで考えてみましょう。
>>これまでの投稿もぜひご覧になってみてください。
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