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公認心理師・臨床心理士/博士(医学)
医療現場でカウンセリング歴15年以上。小学生2児の母。
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見当違いのほめちぎり~子育てが楽になる学習心理学6~

心理学一般

年末年始ですね

あけましておめでとうございます!
みなさま、年末年始いかがお過ごしでしたか?

年末年始って、大人はあえてリズムを変えるのですが、
子どものリズムが崩れてしまって、
いつも通りのペースでやってほしいことをやらなくなる。

こういう困りごと・・・
わかっているのに、毎年あります。

宿題さっさとやっちゃいなさい

小学生以上になると出てくる「宿題やりなさい」「勉強やりなさい」問題。
これは年末年始に限らず、長期休みあるあるですよね。

いちどリズムが崩れてしまうと、まず始めことが一苦労。
えぇ?いまぁ?(ぐだぐだ、だらだら)

こうなると、そう簡単には前に進みません。
やる気スイッチ探しをしながら、一歩進んで二歩下がる。

環境作りして、きっかけを与えて、
いざ宿題に自ら手をつけるのを待ち構えるわけです。

そして、やっぱり望ましい行動にご褒美(ほめほめ)作戦!!
ひらがな一字書くたびに、
「おぉいいねっ!」
「うん、そうだね」
「丁寧にかけたんじゃない?」

・・・ちっともノってこない!!

そうか、字を書くことを褒めてもダメかと。
今度は、意欲的な姿勢を認める(かるほめ)作戦!!
「えんぴつの持ち方をすぐ直したのはいいね」
「なるほど、一回消して、書き直そうとしたのね」

・・・むしろ、イライラする子ども。
しまいには、わざと雑に書こうとするありさま!!

「もういいから!さっさとやっちゃいなさぁいっっ!!!」(母キレる)

はい、出ました。こちらも懲りずに、いつものパターンです。

宿題やる気ないんです

「褒める」が奏功するメカニズム、どういう理論だったか覚えているでしょうか?

望ましい行動に対して褒める(子どもが喜ぶ反応をする)という話でした。
前回同様、図でご説明しますと、このようなメカニズム。
「いいね」と褒められるからこそ、一生懸命宿題に取り組む行動が継続するというわけでした。

さてさて、ここで考えるべきは、そもそも望ましい行動をしてたのか?という話です。
いやいやモードの中、いやいやしながら宿題をやり、
全然ちゃんと書いてもないし、まして意欲なんてちっとも出してない。

え?一生懸命宿題に取り組んでます!?
ってときに、こちらだけ褒める気満々やる気もない相手に、見当違いのほめちぎり

これでは意味ないですよね。

子どもがイライラするのも当たり前でした。
なんせ一生懸命やっていないことは、子ども自身が一番わかってます。

結局どうした?

それで我が家は結局どうしたかというと・・・
待ちました笑。

相手も人なので、この後どうすれば上手くいくかは、子どもによると思います。
以下、我が家のケースです。

ひとまず、やらないという選択肢がないことだけは理解させたうえで、
だらだらぐだぐだだらだらぐだぐだ時間をかけて宿題を続けておりました。
もうここは忍耐としか言いようがありません。

その途中で、あるカタカナの単語が出てきたのですね。
そこで私が「ん?これなんだろう?」と言ったら、突然です、
「これね!教科書に出てくるから!!」と、ぱらぱら教科書を開いて、得意げに説明をはじめまして。

そこにさらに私が「へぇそうなんだ、知らなかった。」なんて言ったもんだから、
得意げを倍増させてしまったわけですが。

それがやる気スイッチでした。そのあと一瞬で宿題は終わりました。
(いや、はじめからやってよ。)

次女特有の、尊敬されたい願望が彼女にはありましたので。
「へぇそうなんだ。」「知らなかった。」「なるほどね。」
これが彼女にとっての嬉しい反応だということです。

ちなみに専門用語では、
その個体にとって好ましい結果(後続刺激)のことを強化子(きょうかし)と呼びます。
正月早々、強化子を特定することが大事という学習心理学の基本を思い出したのでした。

>>過去の投稿も、ぜひご覧になってください。
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