年明けと言えば・・・
年明けと言えば・・・入試。
大学は、入試やら期末試験やらテストシーズンにどっぷり入ります。
かつて大学受験で苦労した私も、
1月のセンター試験(いまは共通テストですね!)の日、
冷たい雪、あったかいホッカイロ、鉛筆の音だけが響く教室・・・
さまざまな記憶がよみがえります。
先日、試験監督をしている時にふと思ったのですが、
授業ではちょっとでもこちらが長く話そうものなら、すかさずウトウトし始める学生さん。
それがどうでしょうか?試験中に寝ている学生さんってほとんどいないんですよね。
いったいどこからくるの?その集中力?
単位を落としたくない。留年したくない。こういう時の原動力ってすごいです(笑)。
やる気スイッチ
こういうときの学生さんたちというのは、
集中力が研ぎ澄まされ、思考がクリアに働いており、車で言うとアクセルを踏んでいる状態です。
「アドレナリンが出る」とか、「ゾーン状態に入る」とか、
いろんな言い方をする方がいらっしゃいますが、
生理学的にいえば交感神経系が働き、全身がすぐに動き出せる準備状態に入っているのです。
いつの授業でもこうあっていただきたいのですが、なかなかそうはいきません。
授業が開始しても、
スマホでSNSを眺めてサークルのことを考えていたり、
休み時間の流れを引きずって友達とおしゃべりしていたり、
下手したら、なにか食べていたり。
グッと集中を授業に向けるのはたやすいことではありません。
自宅で宿題をしている我が子をみていても、
なんやかんやと理由をつけてうろうろしていたり、
1時間かけて漢字1行しか進んでいなかったり。
かと思えば話しかけても聞こえないほどの集中モードに入っていたり。
「やる気スイッチ、君のはどこにあるんだろ〜🎵」と思わず口ずさんでしまいそうになります。
交感神経のオンオフ
大人でも集中を保ち続けることは不可能で、誰でもどこかで必ず集中が切れます。
逆に切り替えが上手くいかず、過度な集中がずっと続いてしまう人は、
それはそれで心を壊してしまいます。
「やる気スイッチ」という言葉にあるように、
交感神経を自分でオンオフできるようになったら、どんなに素晴らしいかと思いますが、
残念ながらまだそのスイッチは開発されていないようですね。
ただ、まれに、この交感神経のオンオフがとても上手な方がいらっしゃいます。
よく運動部の子は、引退後にグッと成績が伸びて受験に成功する。なんていう話がありますが。
これまで、ご縁あってお話しさせていただいた著名アスリートの方々、
お忙しい時間の中で、本やニュースで学び、人とコミュニケーションをとり、
ビジネスや教育でも成功をおさめられていることを知りました。
これは、もしや、「やる気スイッチ」をお持ちではないか!?と心がざわつきました。
ここぞという時にスイッチを入れる力は、運動、勉強、仕事、すべてに共通するのですね。
自分の身体にきく
ではスポーツをされている方がなぜこのようなスキルを獲得できるのか。
わたしなりに考えてきた中で、ひとつの仮説をお話しします。
たとえば心身医学では、バイオフィードバックと言われる手法があります。
バイオフィードバックとは、通常は意識できない自律神経系の反応を測定して、
その結果を目や耳で受けとることのできるデータとしてリアルタイムで本人に提示する手法です。
これをくり返すと、
「自分はこういう状態のときは落ち着いている」
「自分はこういう状態のときは緊張している」
といったように、身体感覚から自分の自律神経の状態を客観的に捉えられるようになります。
アスリートと呼ばれるようなスポーツ選手の方は、長年の競技人生のなかで、
スコア、タイム、データなどのデータがリアルタイムに本人に戻ってくる経験をくり返しているので、
「自分はこういう状態のときに集中している(結果が出せる)」
と、無意識のうちに学習されているのではないかと思うのです。
実際、心身医学におけるバイオフィードバックにおいては、
最終的には自律神経の状態を客観的に捉えることで、
自己コントロールによって自律神経のバランスを整えることを目指します。
アスリートの方の場合、常にバイオフィードバックされている状態が持続することで、
自律神経の自己コントロールによって、
ここぞという時に集中のピークを生み出すスキルを獲得されているのではないでしょうか。
集中できているかどうかは、自分の身体がいちばんよく知っているということなのかもしれません。
こぼれ話
そういえば子どもの小学校の先生が、
「集中しなさいと言っても子どもはなかなか難しい。
集中できている時に、「いま集中して頑張ってたね」と声をかけることで、
これが集中なんだと理解することができる。」
とおっしゃっていました。
なるほどまさに。おとなもこどもも身体で覚えるって大事ですね。
>>過去の投稿も、ぜひご覧になってください。集中できたら「褒める」でしょうかね。
関連記事:
はれるや~子育てが楽になる学習心理学1~
ああせいこうせい~子育てが楽になる学習心理学2~
試行錯誤チャレンジ~子育てが楽になる学習心理学3~
お膳立て~子育てが楽になる学習心理学4~
褒めるは正義?~子育てが楽になる学習心理学5~
見当違いのほめちぎり~子育てが楽になる学習心理学6~
神ワード”Good Job”~子育てが楽になる学習心理学7~
お正月の逆戻り~子育てが楽になる学習心理学8~
いざ再開~子育てが楽になる学習心理学9~
仕組みづくりのプロになる~子育てが楽になる学習心理学10~
コメント