趣味ってお持ちですか?
こんなことを、カウンセリングでお聞きすると、
申し訳なさそうに、「私、無趣味なんです・・・」とお答えになる方がいます。
やっぱり、趣味は持っていた方が良いのでしょうか。
ここで思い切って、わたしの趣味のお話をしますと・・・わたしは宝塚歌劇が好きです!
曾祖母から実に4代目の宝塚ファンですので、
自ら好きになったというよりは、家庭の中にあったという方が近いかもしれませんし、
これがわたしの趣味だという自覚は最近になって芽生えたもので、
数年前まで気づきもしませんでした。
本当の気分転換なんて、そんなものなのかもしれません。
先ほどのような方とカウンセリングでお話するときも、
「気づいたらそばにあった。そんなものを探してみましょうか。」
と声をかけたりもします。
趣味が趣味でなくなるとき!?
我が家の場合、むしろ熱狂的な宝塚ファンは私の母で、
私は母から声がかかった時に、見たい演目であれば見に行く程度でした。
特定の”推し”の方がいるわけでもなく、宝塚歌劇そのものを楽しんでいました。
それがある時、素敵だなと思った方がいて、ひょんなことから応援することになり、
いわゆる”推し活”が、突如としてスタートしたのでした。
いま思えば、仕事も、育児も、一番大変な時期で、
どこかに夢や輝きを求めていたのかもしれませんが、それはかえって大変な時期の始まりでもありました。
“推し活”の心理的メカニズムについては、
もっと自分の中で練りに練ってから皆さまにお伝えしたいと思っていますが、
私の中では、不思議なゾーン状態のようなものに長期的に入ってしまうイメージです。
“推し”のことをもっと知ろうとするあまり、検索が止まらなくなってしまったり、
関連するグッズや掲載されている雑誌を根こそぎ買い集めてしまったり、
今日は違うアドリブが出るかもしれないと何回でも舞台を観に行きたくなってしまったり・・・
時間やお金が流れていき、グッズやチケットの購入に翻弄される。
こうなってくると、もはや”推し活”が趣味の領域を超えてしまうような・・・
ずっしりと重い疲労感を感じてしまったのです。趣味のはずなのに。
趣味と気分転換って違う
ここでわたしは、改めて、コーピング(ストレス対処)とは何か?を考えさせられました。
趣味というのは、なにかストレスや問題が生じた時に限った活動ではありませんし、
いまお話ししたように、ストレス対処にもなれば、逆にストレスにもなります。
つまり、趣味=コーピング(ストレス対処)ではないわけです。
それに対して、気分転換は、なにかストレスや問題が生じた時に、
いまの気分を変えようとして起こす活動なので、
気分転換は、コーピング(ストレス対処)の1つと言って良さそうな気がします。
ということは、私たちがストレスと向き合うときに大事なのは、気分転換ということになります。
これでようやく「私、無趣味なんです・・・」という方に、
自信をもってお答えできる気がします。
「趣味がなくてもいいんです!自分のそばにある気分転換に気づいていきましょう。」
おかげさまで、私は無事に濃い目の”推し活”を終えて、
いまは平穏に、気分転換として宝塚の舞台を楽しんでいます。
我が家の姫たちも、5代目宝塚ファンとして着実に芽を育てていて、
家族だんらんに宝塚トークが舞い込んでくることも、また一つの気分転換です。
自分のちょっとした意識の違いで、好きなことを気分転換のままで置いておけるかもしれませんね。
さてさて次回は、気分転換のおはなし。そうは言っても、どうやって気分転換を探すの?
このあたりを、もう少し広げていきたいと思います。
>>コーピング(ストレス対処)について詳しく知りたい方は、過去の投稿をご参照ください。
関連記事:
向き合い方って人それぞれ~ストレスのおはなし1~
コメント